銀行員のための事業承継講座(営業対応①)
【伊勢志摩サミット2016/5/26の会場・・今年はイギリスでのサミット】
上記のような円卓を見ると、今から15年ほど前の8月15日を思い出します
その日は、芦屋の某邸宅で相続人6名が揃い、亡き経営者の遺産分割協議を行いました。円卓には相続人6名。私は円卓を外側で囲む椅子に顧問税理士と共に事務局として着席
事務局案としては、未亡人へ全体の半分を分割し残りを子ども5名に均等割り。シャンシャンと終わる予定でしたが・・・突然「私は、父から家をもらっていないのよ!」の甲高い声・・・一時中断。。。
現金は、生前贈与しようと相続しようと、いつでも同じ100万円は100万円の評価ですが、不動産は相場で変動する。都心の良い場所であれば長期間比較してかなり値上がりしている。また、相続時には、時価と評価額との差がある。
兄弟間で、生前に自宅を亡き父から贈与してもらっている兄弟と、嫁に行って贈与してもらっていない自分とで、不平等とのこと。今時点での財産で均等割りで終わらせたくないと・・・
「だったら、おやじの遺産で不動産を買って持っていけばいいだろ!!!」普段は滅多に声を荒げない兄弟が怒鳴る。
そこにすかさず「〇〇子!いい加減にしなさい。お父さんが泣いているよ。」・・・未亡人の一括で場の空気が凍り、皆が黙る。協議は終わった。
★★★★★
相続問題は、今の金額や評価が多い少ないかだけではない。家族には家族だけの歴史がある。他人には触れられたくない歴史がある。絶対、その歴史を他人に語らないはず・・・・・話さないはずであると思っていた・・・
でも、家族同士で意見が対立して腹が立つと、「誰かに聞いてほしい」「自分の主張が正しいと誰かに認められたい」と思うようで、第3者で口が堅く、家族に事を理解している人=担当の銀行員に、お話して頂けることが多かった気がします。
私もお話を聞いたら、放置できず、余計なおせっかいをしておりました。銀行員の余計なおせっかいが、家族の絆をつなぐことにもなりました。(具体的には、また次の機会に・・・)