【銀行員の話3】【古いお店(柚子屋旅館)のひな人形】
製造メーカーの経営診断を行っている場面で、メインバンクの支店長が同席して頂いた。
その日はせっかくの支店長が来られた機会であるため、社長から「経営理念」・「5年後の目指すべき姿」・「現在の認識している経営課題と、その改善策」を、中間報告としてお話して頂いた。
その時の、支店長からの感想とご意見に、思わず唸ってしまった・・・
「事業計画や業績見込み、資金繰りから資金調達計画は、さんざんお聞きしていたが、このような経営理念や長期事業計画は、じっくりお聞きしたことが無かった。改めてよくわかりました」
私も、銀行員で法人担当を10年以上経験してきましたが、短期的な資金繰りや、要注意先以下の5年間の再建計画は確かに調べてましたが、正常先の社長から経営理念や5年後の経営計画は聞いていませんでした。
今は金融機関も、事業性評価を行うようになってきてますが、まだまだこれからの面もあるようです。
中小企業診断士になって、経営者が自分の考える”経営する軸”と”従業員に指し示す方向性”の大切さがわかってきました。
銀行員が経営者の活動を見守るにあたり、きちんと観ていく点を今一度整理し意識することが大切だと、改めて私自身が思い知った場面でした。
次回その支店長にお会いした際に、見守るべき点を『見える化』してお示ししたいと思っております。